2007年SAREN'S MESSAGE


  高熱手書き乱字でご挨拶。





2006年12月30日深夜、救急車の中に、あたしはいた。

タンカで運ばれる祖母が
「サレンも一緒にいってくれるでしょ」と泣いた。

「一緒だよ!大丈夫!」と笑いかけ
祖母の手を握った___



揺れる車内、妹は付き添いでの救急車ははじめてで
不安であたしの手を握ってきた。

祖母は泣きながら、あたしの手を握っていた。




守らなくちゃ、とあたしは想った。











23日辺りから続いていた祖母の風邪が悪化した。

仕事納めだった、30日深夜。
妹が帰宅寸前の出来事だった。


あたしはその日、38度の発熱で熱がひいたところだった。
妹がアトリエ2部屋をきれいに掃除してくれていた。

あたしは今年は最後までやりきれないもんだなぁと
ベッドで想ってた。



MRIに入ったりと一通り検査を受けた。
入院しますか?と聞かれたが
自宅でも大丈夫だろうとのことで断った。





妹と、祖母が点滴を受けている間

「今年はさんざんだったなぁ」と笑いあう。


年末であわただしい病院で、
あたしたちは追いやられた診察室で二人、祖母の隣で笑った。



自分たちのコート、祖母にかぶせて
寒かったけど、どうでも良くて
気づいたら二人とも、冷えたジュースを飲んでいた。




点滴の雫がゆっくりと落ちてゆく、ゆっくりゆっくり。





「最後の最後まで、すごいね今年は」

妹と同じタイミングで同じ事を言い、笑いあった。


『おつかれさま』
そう、言葉なくして伝え合っていた感があった。




祖母は病室でみると、更に小さくて
しわくちゃの腕に突き刺さった、針が今にも吸い込まれそうで怖くて

あたしは祖母が生きている事に、ただ感謝した。






年末にさしかかり、祖母は風邪をひいた。
インフルエンザの注射もしたが、風邪は別だそうだ。

なかなか咳が治まらず
それは祖母の全部を悪くした。


トイレが間に合わない、ご飯を食べたくない、起きていたくない。


寝たきり、はこうしてはじまるのかもしれないと感じた。


祖母の便を拭く機会があると
フローリングがきれいになる。

大掃除しなくてもいいかも、助かったと感じた。



まるで、子供いる母親だなと
洗面所で雑巾絞りながら、自分の疲れた顔みて笑う。



今年はやりきれないことが、多かった。

もっと、書きたかった。
もっと、色々なものを見たかった。


一日中、アトリエで何も考えずに
集中できたらいいのにと想った事もある。


友達から連絡があって
暇だといわれる度に、いつも何かに追われている自分と比べた。


親がうるさいと文句を言っている友達を
なんだか冷めた目でみていたこともある。



バカだよな、あたし。
人と比べるって、最低。


みんな何か、抱えてんのに。

自分のことで頭いっぱいだったかもな。



自分の中にあった「毒」がどんどん出る。
小さな病室で、その毒たちがどんどん湧き出た___





妹が「お腹すいた」と言う。
あたしはそれで笑う。

まるでそれはスローモーション、モノクロ映画のワンシーン。



あたしの毒が流れ落ちた。






31日、大晦日。
朝起きて掃除をした。
きれいに拭いて、きれいに干した。


寒いと想った時には38度の熱。
フラフラしながら祖母のご飯を作る。

祖母は点滴のおかげか調子が良く、あたしがフラフラしているので
心配していた。


「誰かにうつされたか?」
と聞かれ

「おばーちゃんからだよ」
と笑う。

「じゃあ、誰かにうつしにいってきな」
と言われ、頭をポンッとたたいてツッコミをいれた。




どんなに足が悪くても
祖母の深い深い優しさがあるから、祖母は懸命に歩き続ける。



それは
あたしと妹を守らなきゃという想いなのではないだろうか。


妹が玄関で
「おねえちゃん、あたしどうしてたらいい」と不安そうな顔で聞いた。

「一緒にきてくれる」とあたしが言うと、妹は何ももたず
あたしの靴をはいて救急車にのった。


あたしは不安だった。
熱がある自分が病院で祖母の様子をちゃんと聞けるのかとか
ただただ、不安だった。



いつもはあたしは
「平気、あたしがやる」と妹を置いてきた。

妹はいつも
「わかった」と家をきれいにして待っていた。




妹はわかったのだろう、あたしの不安を。




2006年は本当に色々あった。

けれど皆が皆を守ろうとしていただけだったのかもしれない。

イヤなことがあるたびに想う。
大切なヒトを知れる時だということを。




これを読んでくれているヒトがいるなら
あたしは言いたいことがひとつだけある。


今不安だったり、どうしようって迷っていたりしたならば
そっからもう這い上がるしかないわけよ。

新年の目標掲げて、がんばろうとしているヒトがいるならば
もうその目標目掛けて飛ぶしかないわけよ。



どちらにしても、イクしかないわけよ!



がんばろう。
みんなでがんばろう。


なんかあったら、あたしにメールして(笑)
いつでもあたしはがんばってるから、パワーわけちゃう(笑)



背中から真っ白な羽がはえたぜ!


今年もがんばります。


2007年元旦 永田紗戀
追記:熱があってすごい字になっちゃったけど
新年の抱負、ベッドで書いたから手書きで見てほしくて載せました。

だから今年はこんな年賀状。書くしかないわけ!