Column No 7
・・・inochi |
”Saren 命だよ”
by Saren.nagata
01/28/2004 12:52:28 AM
まだ、小さい頃
学校でジャージを着た色気のない先生が
私にすごいキレイな笑顔で
「Saren、命なんだよ」
と私に言った事を
今でも
覚えている
先生は朝顔の種をくれて
みんなおそろいの植木鉢に名前を書けといい
「命です」
と教壇の前で言った
向日葵に似ていると想った
色気のない先生は大股で歩いて
その”命”とやらを持ってきて
嬉しそうに笑っていた
こういう女性になりたいと、想った夏休みの前
まだ、小さな私の大人の憧れ
時は過ぎ
私の目の前にジャージの大股の女も見なくなり
そして
仮面の様に人の顔色ばかり窺う人々に塗れ
私も塗れ
私は憧れを忘れた
「Saren 命なんだよ」
そんな言葉に泣けてきた
失敗を恐れ
屈辱を避け
嫌われる事を怖がり
そういう通り道だったのかもしれない
そんなとき
その先生の言葉を想いだして泣けた私
「夢をもってなきゃ」
そう人に言い
自分で「夢は何?」と聞かれ
「書道の先生」
と言い
いざ、なってみたら何も変わらず
何をしていいのかもわからず
そして
芽は芽のまま それが命とも気付かず
あっという間に時間は流れる
ショーウィンドゥに映る自分は自分のままで
それは一瞬の映画みたいに
「こんなんじゃない」っていつも想っていた
素敵なお洋服を着て
高級バックを持って
楽しい時間を過ごして、あっという間に時は流れ
そして、こんなんじゃないって心の泣き声を聴いた日、私はやっと想い出していた
「命」
私の種はなんだろう
なんだろう
命の光を灯すために
私はどうしたらいいんだろう
私は何ができるんだろう
私しかできないことはあるのだろうか
あるのだろうか
花は咲くのだろうか
咲くの?
花を咲かすためだけに
種をまくの?
まかねば種は種のまま
それでいいの?
あの日
学校から帰って汚い狭いベランダに
まだきれいな植木鉢を置いた
「おばあちゃん、これ大切だからね。朝に水あげるんだって」
振り向いたおばあちゃんが笑ってた
私はそれをすぐに忘れた
でも、朝顔は咲いた
おばあちゃんが水をあげていてくれたんだった
完璧じゃなくてもいい
成功しなくてもいい
あなたの種をまいてみること
だから私も種をまいてみた
花が咲かぬとも
種をまいたことで
新しい喜びや嬉しさや苦しさに出逢え
そしてそれがきっと
「Saren 命だよ」
ワタシガ種をまかねば花は咲かぬヲカイタリユウ
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