Column No 3
・・・女

”あなたは女でも男でもない”
by Saren.nagata
Wednesday, August 13, 2003 16:52:32



私は女という字が最大のテーマであり描き続けるだろう





辞書をひくと
女とは「子を産み得る器官をそなえている方」と一番最初に出てきた


世の中には男と女がいる






辞書を私なりの解釈で分析するならば
子供を産む機能がなければ男と女は同じであるともとれる



「男」を辞書でひいてみる
すると下の方にはこう記されている
「強くしっかりしているなど男性の特質をそなえた男子」

こうある



また「女」のページに戻っていくと
「天性やさしいとか、感情が豊かだとかいう通有性に着目して言う場合の女性」

こうある







さて、私がここで思うのは
人間というのはそんなに簡単に男と女に分かれている訳ではないという事である







この辞書通りに生きている方々もいるかもしれぬが
私とて
自分が「女」であるのは確信があるとて

この辞書通りの「女」であるとは
全くの自信がない









姿形、風貌が女であれ、男であれ
私の心は
「女」に「男」に様々に変貌を遂げている
そういう方々はいっぱいいると想う



私はそういう母親に育てられた



おかげで
人に対しての「男」「女」という決めつけがとても狭い世界に思えてならない時がある
それは時に「鋭利な刃物」になる












人間というのは
とても未知数の感情を抱くことが出来る

そしてそれがマニュアル通りでなければ
人々は偏見の目を持ってしまう






私は書道の弟子時代に
師匠に何度もそれを叩きつけられた





私は教育料として師匠にお金を払っていた
それは当たり前の事である





しかし当時私はコンビニのアルバイトだけで生活をしていた
「展覧会」などがあると
時間・労力・金銭
それとの戦いである





私は自分のお金でやり遂げる事を決めていた





母は言えばお金はくれただろうし
常に私の才能についての真っ直ぐな評価をくれた
「やりなさい」

母は何に対してもそう私に言った








子供は締め付けられると
その紐から抜け出したくなり
締め付けられないと
自分からその紐にからんでいくと思う

私は完全に後者であった








そして完全に
「書道」に夢中になり
「自分で達成する」という目標をえた私は

「狙いを定めた狩人」の如く
生きていただけである








しかし
人間は限界がある


金銭面の辛さから
アルバイトを増やした私は
完全に「支払いを済ませる」といった狙いに変貌していくのであった



書道という世界は
何十万とお金が飛んでいく

また



ひとつのものを完成する為に
何百枚という紙を捨て、何本もの筆をだめにし、膨大な量の墨を紙に落とす









師匠は疲れて
アルバイトから直行する私を怪訝な目で見つめた

「精神的な落ち着きがないからいいものは書けない」
そう言い放った


そして








「母子家庭だからって甘えられないのね、私がお金貸すから」
そう言った










私は黙って道具を出しながら
「お金はあります」と文鎮を大きな音を立てて置いた

確かあれは火曜日の夕方
子供の遊ぶ声が響いてた











私は次の日から
一切書道というものに触れなかった


書かなければうまくいかない
そういう事実はわかっていた


しかし自分の精神面を取り戻すためにも
毎日アルバイトを入れ
人が休んだらそこに入り
なんとか費用を稼ぎ出した










そして
1日で書いた

そして
師匠の評価も聞かずに
本部に郵送してしまった















そして私は最年少で賞に入った
それは所謂
辞書でいう「男」であったと確信している
そう、強く・・しっかり・・ってやつである

















「書は育ちが出るの」
師匠は折に触れ私に言った


私が激しい字になってしまうと必ず言った


師はまだ若い私の導線に何度も火を放ち
私は爆発寸前でそこを去った















個性、である
全て個性なのである


母子家庭であるのは一般的な言い方である
しかし私は何不自由なく育った

そして
私は女であるのは風貌であり

男より強く生きてきたつもりである





女であるから弱い
男であるから強い


今の時代ではそんな事は一切ない


しかし根付く辞書通りの方々が
やはりこういう世界には何万といるのだろう


この事に関して反感は持つ方々はいるかもしれない



しかし








自分でこうして自分の表現の場を得た私が
唯一語っていけるのは
今はそんな時代ではないという事である


マニュアル通り
「女は子供を産む器官が・・」
「男はしっかりつよく・・」

そんな事言ってたら
生きていけない世の中になってしまっているのである










確かにその芸術の分野で
規律通りに生きていく事も出来るのかもしれないし
素敵な事かもしれない




しかし私は幾度もそれを味わい
そして知った




「専門家に評価される作品程、素人はわからない」




それなのである






私が求めるのはそこではない
私は一人でもいい
誰かの想いや心の声を代弁出来る為に筆を持ちたい








私が書く作品は
「女」であり「男」であり

またそれは
何を隠そう
「Saren.Nagata」
なだけである













だから私は女を書く
私が女を書くのはただひとつ

「私はSaren.Nagataであり女でも男でもない」



時に男になり、女である
きっと皆そうである

あなたは男でも女でもない
あなたはあなたの名前で生きないと生きていけないのである




それが楽しい人間世界なのであるに違いないと私は書を通じ感じている



だから私は書の女

ワタシガオンナヲカイタリユウ






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